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Author:千奏
友達が言うには、
私はホワイトタイガーだそうです。
一瞬見て恐くてビックリするけど、近づいていくと魅力に捕われそうになって、近付き過ぎると手負い傷を負い、雪国生まれで白い肌だから…。
そんなに恐いかな…。

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20080817 Sun
ハル10 

ハル10 

 ハルが死んで二ヶ月が経とうとしていた。
私は普通の生活を取り戻しつつあった。
学校の帰り、門の外に大地が居た。
私は見ていないフリをして歩き去ろうとした。
「おい、無視かよ。」
腕を引っ張られた。
「…何?」
大地を睨み上げた。
私は虚勢を張っていた。
大地が恐かったからだ。
どんなに責められても仕方ない、私が悪いのだから。
ただ、それに耐えるには自分の気持ちが弱かった。
だから虚勢を張っていたのだ。
「ちょっと来いよ。」
無理矢理二輪に乗せられた。
制服のスカートで二輪を跨いで乗った。
着いた場所は墓地だった。
大地について歩いた。
まだ残暑の中、蝉の音だけが煩く聞こえる。
やがて大地の向かっている先に“矢野家之墓”と彫られた墓が見えてきた。
百合の花が供えてあった。
墓の横の墓碑には戒名らしき漢字と、その下に春臣 十八才と彫られている。
私は春臣の字の所を指でなぞった。
「…春臣って言うんだ…。」
大地は黙っていた。
「…ハルってしか教えないんだもん…。」
私は墓に向き合った。
不思議と涙は出ない。
「ハル、私能工諦めたよ。地元高校受験する。」
墓石は何も答えてはくれない。
蝉の声だけが墓石に反射して聞こえていた。

地元高校に入学した私は、特定の恋人はつくらなかった。
噂がたつ人達はいたけれど、私はその気になれなかった。
私の心はハルに持って行かれたままで、時々物思いに耽けっては涙が流れた。
巽の所へも行かなくなった。
何もかも、自分の思う通りには進まないと思うと、何もやる気が出なかった。
入学直後の実力テストでは、学年の十位まで名前を貼り出した。
その中には特進クラスの名前が並ぶ中、私の名前もあったのに、数ヵ月後の中間試験では下から数えた方が早かった。
担任の先生はその不甲斐無さに、ベストとワーストの五位までを貼り出した。
それでも私の気持ちは浮上しなかった。
悔しさも恥ずかしさも何も浮かばなかった。
その内、建築への情熱も冷めていった…。





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20080816 Sat
ハル9 

ハル9 

 私は巽に送られ、家に帰った。
ずっと、抜け殻の様だった。
ハルが死んだのは現実と、受けとめられなかった。
大地の家に行けばハルが居るような気がした。
と同時に行くのが怖かった。
私と拘わったばかりに死んでしまったから。
私のせいで死んでしまったから…。

巽が時々学校へ、様子見に来てくれた。
法事で岡山に行っていたハルの両親が帰ってきて、お通夜と葬式は済ませた事、墓も発注して四十九日には納骨する事、大地がもし来れたら納骨に来いと言っていた事を話してくれた。
巽の話は上の空で聞いていた。
 私が行ける訳、無いじゃない…。
私が殺したようなものなのに、行って両親に何て償えばいいの…?

 抜け殻の状態のまま、三者面談の日が来た。
担任の女先生、母、私の三者で始まった。
「志望校は能代工業…と言う事ですが、ご両親もこれで…?」
母が驚いた顔をした。
「まだそんな事言ってたの?」
私を見た。
「お母さんは、反対なんですね?」
「私は地元の高校で良いと思ってます。千奏の成績では難しいでしょうか?」
「地元だと千奏さんの成績では問題なく入れると思います。…地元にしよう?千奏さん。」
私はまだ能工を受験するつもりだった。
「…父さんは…良いって、言った…。」
「男が入るのと女が入るのとじゃ、違うんだよ!?」
母の剣幕は凄かった。
私はぼんやりと、でも自分が否定されているようで反発した。
「男だから、女だからって区別しなくても、私は建築を学びたい、教わりたい…っ!」
母は負けなかった。
女先生も便乗した。
「建築は力のある男の方が向いてるんだ。」
「男女共学だって言っても、男子の比率が多いんだから。」
「建築がやりたかったら、地元高校終わってからでも学べるし!」
建築が女に向いてないという意見から、選択を後回しにするように意見を変えてきた。
「そうそう、本当にやりたかったら大学進学だって出来るんだし。」
「千奏が望むなら大学だって行かせてやる。」
当時、兄は公務員だった。
受験前ギリギリで音大に行きたいと言ったが、聞き入れてもらえなかったのを私は知っていた。
それなのに私は大学に行っても良いと言う。
信用出来るのだろうか…。
それ以前に今能工に進まないと、私の中の建築に対する情熱が冷めるような気がしていた。
もう少し自分の意見を通そうかと思っていると、母が言った。
「母さんは、工業に行かせたくない。」
“俺が親だったら、絶対入れない。”
ハルの声が聞こえた気がした。
じっと膝の上の拳を見つめた。
「……分かりました。」
母と女先生はホッとした顔で面談を終わらせた。
私は我慢して教室に戻った。
クラスメイト数人が、戻った私に声を掛ける。
「どうした?」
「何か言われたか?」
その時の私は余程哀しい顔をしていたのか、みんな寄ってきた。
みんなの優しさに、堪えていた涙が噴き出した。
自分の望む進学が出来なかった悔しさと、ハルを思い出した哀しさが一気に押し寄せてきた。
普段の私なら泣き顔なんて負けたような気持ちになるので、絶対泣かなかったのに、そんな気持ちも何処かに行く程哀しかった。
私は机の上に突っ伏して泣いた。




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20080815 Fri
ハル8 

ハル8 

 巽は自宅に居た。
と言うのも、ハルは朝早く出て行った。
「千奏は俺の家に居てくれ。」とハルに言われ、私は仕方なく大地の部屋に居た。
大地が二輪の雑誌を見ながら聞いた。
「ハルのナニはデカかったんか?」
「……な?」
「随分痛がってたじゃねーか。」
私の顔がみるみる熱くなっていくのが分かる。
アノ時の声を聞かれていたなんて…!
「聞くなっ!馬鹿っ!」
「俺が下に居るのにヤッたのはお前らだろ?聞くなったって聞こえたらどうしようもねーし。」
「だってイビキが聞こえてたから…。」
「あんなセツナイ声聞こえてきたら眠気も醒めらぁ。」
傍にあった雑誌を大地に投げつけた。
「…馬鹿っっ!」
大地の部屋の電話が鳴った。
「…よぉ。……巽んちの前か…?」
大地の表情が変わった。
ガチャッと乱暴に電話を置いた。
直ぐに上着に手を掛ける。
「…何かあった?」
私が大地の後を追う。
事故った。」
「…誰?」
巽や大地は暴走族なだけあって事故は多い。
直ぐに行って助けなきゃって気持ちに切り替わる。
私の行動も早くなる。
大地は私が二輪の後ろに乗るのを確かめてから名前を言った。
「…ハル。」
ギクンッと胸が鳴った。
一瞬肋骨が収縮して、肺と心臓が締め付けられた気がした。
私の身体が止まった。
大地は私の腕を自分の腰に廻した。
「しっかりつかまってろ。お前まで死んでしまうぞ。」
お前まで…?
死んで…?

…死……?

考えたくない。
考えると自分が認めてしまった気がする。
ハルが死ぬって。
頭が思考停止して真っ白になった。
大地の上着をぎゅっと握り締めた。
十分程乗っていると病院に着いた。
私はぼんやり病院を見る。
此処って救急も扱うんだっけ…。
大地が、動かない私のメットを外し、抱き上げて降ろした。
肩を抱いて病院に入っていく。
受付に何か聞いている。
私の耳には入らない…。
エレベーターで四階に上がる。
部屋の前には巽が居た。
部屋の扉は開け放たれて、看護婦が出入りしていた。
「…ハルは?」
大地が巽に聞く。
「…意識不明の重体。轢かれた時には心音は止まってたよ…。」
「御家族の方ですか?」
看護婦が聞いてきた。
「はい。」
「説明がありますので、先生の所へどうぞ。」
大地はナースセンターへ入って行った。
私は目を開いていたが、全く意識が無い状態だった。
ベッドに横たわり点滴と鼻に酸素の管を通しているのが、ハルだとはとても思えなかった。
暫く巽の横に立っていた。
「…行って来いよ。お前が呼びかければ起きるかも…よ。」
そう言われても、中々足は動かなかった。
背中を押され、部屋に入る。
ベッドに居るのはやっぱりハルだった。
点滴の針を刺している腕が布団から出ている。
手を触る。
乾燥して、熱かった。
「……ハ…ル…。」
心音を繰り返すピッピッという音が気になる。
「…起きてよ…ハル…。…ハルッ!」
血圧の数値の表示が上がった。
触っていた手がピクッと動いた。
「ハル…?…ハル…っ…。」
ハルの唇が動いて、私の手を握ろうとした。
「此処にいるよ。此処にいる…。」
ハルの手を握り返して、言った。
ハルの顔色がスーッと蒼ざめた気がした。
血圧がグッと下がってピーっと音がした。
「廊下に出て下さい!」
看護婦が押し退けてハルの傍についた。
巽が私の腕を引っ張った。
医者が部屋に入り、心臓マッサージを繰り返した。
私は、見ていられなかった。
巽の胸に顔を埋めた。
「…もういいです。止めて下さい。」
大地が医者に言った。
ピーっという音だけが部屋に響く。
「…八時二十三分。御臨終です。」
医者と看護婦が一礼して部屋を出て行った。
「ハル……。」
大地はハルに掛かっている布団をポンッと叩いた。
「…ごめ……大地……ごめ…ん…ハ…ル…。」
最後は涙で声にならなかった。
大地も巽も何も言わなかった。




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20080813 Wed
ハル7 

ハル7 

「…ゴメン。痛かっただろ。」
コクンと頷いた。
「俺も我慢してたんだけど…。」
又、コクンと頷いた。
「…こっち向けよ…。」
私はハルに顔を見られるのが恥ずかしかった。
振り向いて、ハルの胸に顔を当てた。
ハルは私の肩を押して顔を覗き込もうとする。
「嫌だったか…?」
頭を横に振った。
「襲われた時は、痛くて屈辱的でどうしてこんな目にあわなきゃいけないんだって思ったけど、今日はそうでもなかった。少なくとも自分で誘ったんだし…。でも……痛かった…。」
ハルは、私の頬を親指で撫でた。
「泣かせちゃったな…。」
私は顔を背けた。
「ナミダの痕…ある?」
「うん。」
泣いた痕を人に見られるのは凄くイヤだった。
自分が弱い気がして…。
頬をごしごしと擦っていると、階下から物音がした。
階段を上って来る音だった。
ハルは私に夏蒲団を掛け、脱いだ服をベッドの下に押し込む。
「寝たフリしてろ。」
ハルは近くにあったジャージのパンツとTシャツを身に着け、椅子に座った。
上り切った足音は部屋の前を通り過ぎ、隣の部屋の扉を開けた。
ドサッという音がして暫くするとイビキが聞こえてきた。
もう私の事など忘れているのだろう。
ハルと私は顔を見合わせ、くすくすと笑った。
途端、イビキが止まった。
ゆっくり部屋の中を歩く音がする。
部屋を出て、ハルの部屋の扉を開けた。
「やっぱりこっちに居たんか。」
ハルの兄、即ち私の仲間、大地が顔を出した。
私は寝たフリをしていた。
勝手に部屋に入ってきて、私に掛かっている夏蒲団を捲った。
私は大地のイビキが聞こえるまでに、ベッドの中でパンツとGパンを穿いていた。
上半身裸のままだったが、それはそれでいい。
「千奏、俺の部屋で寝ろ。」
私の肩を揺すった。
「そのまま寝かせておいたら。」
ハルが助け舟を出した。
「俺なら下で寝るから。」
「何でこいつはお前の部屋に来たんだ?」
「兄貴が居なくなったから来たんだろ?話してる内に寝ちゃったよ。」
「…こいつ寝てる間に脱いだだろ。」
「…え…。」
私は脱ぎ癖があるらしく、寝ている間にいつも裸になっている。
「…もー、うるさいな…。起きちゃったよ…。」
「ほら、行くぞ。ハルの邪魔するな。」
私は今起きましたと言わんばかりにノロノロとTシャツを着て、ハルの部屋を出た。
「ねぇ、大地。」
「ん?」
「ハルと付き合っちゃ、駄目?」
「好きになったんか?」
「…うん。」
大地の部屋の扉を完全に閉めなかった。
「お前、巽の女だって自覚無いだろ。」
巽は良く遊んでいる友達だ。
「巽とは別に何でもないよ。」
「巽にだってプライドってモンがあるだろ。バレたらチームで廻されるぞ。」
廻すという言葉に過剰に反応してしまう。
レイプされた過去が圧し掛かってくる。
ジワッと涙が溢れた。
こぼれない様に数度瞬きをした。
「…巽の女じゃないモン…。」
「お前だけだよ、そう思ってるのは。」
「巽だってそうだよ。あいつ、女だったら誰でも良いんだ。」
大地がベッドに腰掛けて、私を見ていた。
「女なら誰彼構わず寝るアイツが、お前と寝ないのは何でだろうな。」
「女と思ってないから。」
「大事にしてるからだろ?わっかんねーのかなぁ。」
「…私がその気無いんだから、分かるわけ無いじゃん…。大体、大事にしてたら寝ないの?おかしいじゃん、そんなの。」
「男はな、好きなヤツ程手が出せねーんだよ。」
「好きな女には手が出せなくて、他の女には勃つんだ?…オカシイよ。大地は有香じゃなくても勃つんだ?」
有香は大地の彼女で、大地は有香にベタボレだった。
だから大地の部屋へは襲われる心配無く泊まりに来られる。
「有香じゃなくても勃つなら、私泊まられないね。」
大地は黙って私を睨んでいた。
私は、巽が安心して泊められるのは大地の部屋だけなのを知った上で言った。
暫く大地と睨みあう。
「…大地の言い分は男の立場でしか言って無いじゃん。私が他の男と遊んでたら、巽はどう思う?私を好きでなんかいないよ。」
大地が何か言おうと口を開けた。
「俺が巽さんに言うよ。千奏を下さいって。」
私の後ろからハルが顔を出した。
私はハルに振り向いた。
「…駄目だよ。巽は優しそうに見えるけど、あれでも暴走族のチームを背負ってるんだよ。キレたら大地でも…。」
「そっ。俺でも止めらんねーよ。」
大地はそれだけ言うとソッポを向いて寝てしまった。
「今日、巽さんに会いに行くよ。」


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20080730 Wed
ハル6 

ハル6 

「あそこ、見て。」
ハルが右手で指差した。
ベッドから一番離れている部屋の入口の隣に姿見の鏡があった。
二人の絡み合っている姿が映っていた。
「…やだっ!恥ずかしい!」
鏡から顔を背ける。
ハルは腰をずらした。
私の背中をベローっと舐めた。
「…あぁっ!」
顎が上がり仰け反る。
ハルの肉棒が小刻みに動いた。
「…あっ?…何か…変…。」
痛みと一緒に快感も押し寄せる。
クリを弄られている時と違う感覚…。
自分が自分の心を読み取れない。
…怖い…。
悪寒と快楽が一緒になった様な気持ち…。
「…あ…あ…ん…あ…やぁ…こわ…い…。」
ハルの腰の動きと一緒に声が出る。
自分の声じゃない…高い声が出る。
「…あぁん…あっ…あっ…どっか…へん…と…めて…やめ…ない…で…はっ…はっ…はっ…。」
自分で何を言っているのか要領を得ない。
段々動きも激しくなる。
「…イキそう…。」
ハルが苦しそうに言った。
「あっ…駄目…止めないでっ!」
咄嗟に叫んだ。
私は手を前に着き、前屈みになった。
ハルが私の腰を押えたまま自分の腰を上げ、後ろから突いた。
「…あっ…あっ…あぁっ!」
ハルは突きながらクリに触った。
私は途端に絶頂に登り詰めた。
私が締め付けると、ハルの肉棒はもっと大きくなった。
中でメリメリッと音が聞こえたかと思う位大きくなると、ドクンドクンと波打った。
膣中の奥に何かが入った。
私のビクンビクンと一緒に、果てた。
「…はぁ…。」
イッてしまっても、私の中に入っている大きさは変わりがなかった。
ゆっくり抜くと、ハルの肉棒にコンドームが絡み付いていた。
コンドームが裂けて、間から亀頭が出ていた。
ハルは驚いた顔をして、私の股を広げた。
外陰部を指で広げても出てこない。
私の膣は入口で相当締まっていた。
ハルは両手の人差し指二本を差し入れた。
「あんっ…。」
指の間からドローっと白い液体がハルの腕を伝って出てきた。

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